この記事でわかること: 日本で処方されている薬をアメリカでも続けられるのか? 同じ薬が手に入らなかった場合どうすればいいのか? 保険は使えるのか? 実際にアメリカで心療内科に通っている駐在妻たちの体験をもとにまとめました。
はじめに|この記事を書いた理由
この話題は、駐在妻コミュニティの中でも最も切実で、最も繰り返し質問されるテーマです。
「日本で病院にかかっていると海外赴任向けの保険に入れないのでは?」「処方薬が1ヶ月分しかもらえないのに、渡米後はどうすれば?」「アメリカの心療内科は4ヶ月待ちと言われた」——実際のLINEグループでも、何人もの方がこのテーマで途方に暮れていました。
先にお伝えしておきたいのは、なんとかなります。方法はあります。ただし、日本と同じようにはいかないので、事前の準備と心構えが必要です。
結論|渡米前にやるべき3つのこと
最初に一番大事なポイントをまとめます。
① 処方薬の「成分名(英語)」をメモしておく
日本の薬の「商品名」はアメリカでは通じません。しかし「成分名(ジェネリック名)」は世界共通です。たとえば、デパス → Etizolam、レクサプロ → Escitalopram、のように成分名を英語で控えておくと、アメリカの医師が代替薬を提案しやすくなります。
主治医に「英語の紹介状」を書いてもらう際に、成分名・用量・服用期間を必ず記載してもらいましょう。
② 薬は「可能な限り大量に」持っていく
日本の処方制限で1回に1ヶ月分しかもらえない薬もありますが、渡米が決まっていることを主治医に伝えれば、複数回に分けて処方してもらえる場合があります。
実際に「1スーツケースに3ヶ月分を小分けして、1年分くらい持っていった」という駐在妻もいました。預入荷物に本体を、手荷物にロストバゲッジ用の2〜3週間分を入れておくのが安全です。
③ 日本と「まったく同じ薬」にこだわらない心構えを持つ
これが最も重要かもしれません。アメリカでは日本と薬事法が異なるため、日本で使っていた薬が認可されていない、あるいは認可されていても非常に高額になるケースがあります。
ある駐在妻は「日本からわざわざ処方箋を持ってきたのに、ほとんどの薬が出せない or 高いと言われてストレスに感じた」と語っていますが、アメリカの医師から提案された代替薬が合っていて、今は問題なく過ごせているそうです。
アメリカでの受診方法|3つのパターン
パターン1:アメリカの日本人医師にオンライン受診する
アメリカには日本人の医師が開業しているクリニックがあり、オンライン診療に対応しているところもあります。
メリット:
- 日本語で症状を伝えられる安心感
- オンラインなので地方在住でも受診可能
- 日本の治療歴を理解してもらいやすい
デメリット:
- 人気があるため予約が数ヶ月待ちの場合がある(4ヶ月待ちという実例あり)
- 保険適用外になるケースが多く、1ヶ月分の診察+薬で数万円かかることも
探し方:
- 最寄りの日本領事館・大使館のウェブサイトに「日本語対応医療機関リスト」がある
- Facebookの州別日本人コミュニティで情報を集める
パターン2:アメリカの現地医師(英語)に受診する
英語でのコミュニケーションが必要ですが、保険が使えるため経済的な負担は軽くなることが多いです。
メリット:
- 保険のネットワーク内なら診察費の自己負担が大幅に少ない
- 予約の選択肢が広い(日本人医師に比べて待ちが短い傾向)
- 薬の処方量が日本より多い(3ヶ月分まとめて処方されることも)
- 根本治療のアプローチ(血液検査→サプリ提案など)が充実している場合がある
デメリット:
- 細かいニュアンスを英語で伝えるのが難しい
- 日本のガイドラインと異なる薬を勧められることがある
英語が不安な方へのアドバイス:
- 症状や希望を事前に英語でメモしておく(翻訳ツール活用OK)
- 夫に同席してもらい、通訳をお願いする
- 実際に「中学英語の単語力でどうにかなった」という体験談もあります
パターン3:日本のオンライン診療を海外から受ける
curonなどのアプリを使って、日本の病院のオンライン診療を受ける方法です。
注意点:
- 法的にグレーゾーンの部分がある(海外からの受診を断る病院もある)
- 薬の郵送は家族に受け取ってもらい転送する必要がある
- 日本の保険が駐在中も有効か確認が必要
- 病院側がオンライン診療を突然廃止する可能性もある
薬の処方と受け取り|日本との違い
アメリカの処方薬のシステムは日本とはかなり異なります。知っておくと戸惑いが減るポイントをまとめます。
処方箋は薬局にデータで直接送られる
日本では紙の処方箋を薬局に持っていきますが、アメリカでは医師が電子処方箋をあなたの指定薬局に直接送信します。薬局に行って名前を告げれば、もう薬が準備されている仕組みです。
「指定薬局」は保険によって異なる
加入している保険のネットワークによって、使える薬局が決まっています。CVS、Walgreens、Rite Aidなどの大手ドラッグストアが一般的ですが、保険の種類によっては宅配薬局(郵送で薬がポストに届く)も利用できます。
大量処方されることがある
日本の「1ヶ月分まで」という感覚とは異なり、安定している患者には3ヶ月分をまとめて処方されることがあります。これにより、診察頻度が3ヶ月に1回で済むケースも。薬代は(保険や薬の種類によりますが)日本より安いという声もあります。
保険の仕組み|知らないと損する基礎知識
病院にかかる際の保険のポイントです。
ネットワーク内(In-Network)を選ぶ
夫の会社の保険が提供する「ネットワーク内」の医師にかかれば、自己負担は少なくて済みます。ネットワーク外でも一定の割合は保険会社が負担してくれますが、自己負担が大幅に増えます。
会社の2次保険を確認する
駐在員向けに、会社が通常の保険とは別に「2次保険」を契約している場合があります。ネットワーク外で自己負担が発生しても、2次保険でカバーされるケースがあるので、必ず夫を通じて確認しましょう。
日本人医師=保険適用外とは限らない
「日本人医師のクリニックは保険適用外で数万円」という情報がありますが、これはすべての日本人医師に当てはまるわけではありません。保険のネットワーク内に入っている日本人医師もいます。保険の種類が分かったら、ネットワーク内の日本人医師がいないか検索してみましょう。
渡米前の準備チェックリスト
日本の薬をアメリカでも継続するために、渡米前にやっておくべきことをまとめます。
なお、医療以外の渡米準備全般については、 「渡米前90日チェックリスト」で時系列にまとめています。 保険・通信・引越し・行政手続きまで漏れなく確認したい方はこちらもご覧ください。
90〜60日前:
- 主治医に渡米を伝え、英語の紹介状を依頼する
- 紹介状には成分名・用量・服用期間・診断名を英語で記載してもらう
- 処方薬を最大限もらう(複数回通院して蓄積する)
- 日本の処方箋をPDFにして保存しておく(英語訳も準備)
30〜1日前:
- 薬を手荷物と預入荷物に分散する
- 薬は元の処方箋ラベル付き容器のまま持参する
- 渡米先の日本人医師・心療内科をリストアップしておく
渡米後1ヶ月以内:
- 夫の会社の保険内容を確認し、ネットワーク内の医療機関を調べる
- かかりつけ医(PCP)を受診し、必要に応じて専門医を紹介してもらう
- 薬が切れる前に余裕を持って受診予約を入れる
よくある質問
Q. 空港で薬のチェックはありますか?
多くの駐在妻が「荷物を開けられた形跡はなかった」と報告しています。ただし、必ずしもスルーされるとは限らないので、処方箋のコピーや英語の紹介状を携帯しておくと安心です。
Q. 日本で使っていた薬がアメリカで認可されていない場合は?
アメリカの医師に成分名を伝えれば、同じ系統の代替薬を提案してもらえます。何種類か試して合うものを見つける流れになることが多いです。日本の心療内科と同様、最適な薬が見つかるまで少し時間がかかる場合があります。
Q. 州によって薬の規制が違うと聞きましたが?
はい。薬の種類によっては、州の規制により処方できる量に制限がある場合があります。「日本で出してもらえていた量の1/4しか出してもらえなかった」という体験談もあります。これは医師や州を変えることで改善する場合もあるため、1つの病院だけで諦めず、複数の選択肢を探ることをおすすめします。
Q. アメリカの心療内科で良かったことは?
「日本ではほぼ形式的な診察といつもの薬をもらって帰るだけだったが、アメリカの先生は血液検査の結果からサプリをおすすめしてくれて、将来的に薬がいらなくなるはずと説明してくれた」という声がありました。根本治療を重視するアプローチは、アメリカの医療の強みの一つかもしれません。
まとめ
アメリカで日本で処方されている薬を継続することは、不可能ではありません。 ただし、「日本と全く同じ薬を、同じシステムで、同じ費用で」は難しいのが現実です。
大事なのは、事前準備(紹介状+成分名メモ+薬の蓄積)と、 柔軟な心構え(代替薬を受け入れる姿勢)の2つ。
そして、あなたは一人ではありません。 このテーマで悩んでいる駐在妻は想像以上にたくさんいます。 薬の問題と並んで多くの駐在妻が悩むのが「孤独感」です。
心の不調を一人で抱え込まないために、 「駐在妻の孤独感を乗り越えた方法」も合わせて読んでみてください。 渡米直後の「帰りたい」という気持ちへの向き合い方を、 100名以上の駐在妻の声からまとめています。
アメリカ駐在の準備をさらに進めるために
医療の準備が整ったら、他の重要項目もチェックしておきましょう。
駐在妻のリアルな体験から生まれた関連記事をご紹介します。



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この記事は、アメリカ駐在妻コミュニティの実体験をもとに作成しています。個別の医療判断は必ず医師にご相談ください。
